第146章

神園の母が息子にそう問われた途端、喉の奥から掠れた音が漏れた。

「だ……誰かが……」

そこへ医師が入ってきて、慌ててその場を制した。

「いまはまだ、お話しができる状態ではありません。ご質問は後ほどにしてください。まずは奥様の検査を優先します」

神園和臣は眉間に皺を寄せた。父が肩にそっと手を置き、低い声で言う。

「まずは医者に診てもらえ。命に別状はないんだ。あとでいくらでも聞ける」

神園和臣は唇を引き結び、小さくうなずいた。

検査を終えた医師は、神園の母に大きな異常はないと告げた。肺に濃い煙を吸い込み、喉を傷めているだけで、しばらく安静にしていれば回復するという。

医師と看護師が...

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