第23章

人混みの中で、誰かが短く息を呑んだ。

その声を合図にしたように、記者たちは一斉に我に返る。たちまち目の色を変え、カメラを構えて二人へ向け、夢中でシャッターを切り始めた。

まさか本当に大ネタが転がり込んでくるとは思っていなかったのだろう。新藤鈴奈を一晩中張り込んだ甲斐があった――そんな興奮が、場の空気にありありと滲んでいた。

「神園さん! それはつまり、新藤さんとの関係を認めたということですか!?」

「神園さん、新藤さんはまだ離婚していませんよね? 二股をかけている件はご存じなんですか!?」

投げつけられる問いは鋭く、露骨な悪意を含んでいた。

新藤鈴奈を抱いたままの男が、質問した記...

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