第30章

警察は事故の経緯をひと通り簡単に聞き取り、新藤鈴奈も隠し立てなく、見たままをそのまま話した。

「相手の車がいきなり飛び出してきてぶつかった、ということですね。その前に相手の車を見かけた記憶は、本当にありませんか?」

新藤鈴奈はこくりと頷いた。間違いない。あの車は本当に突然現れたのだ。まるで最初から交差点に張っていて、自分に突っ込んでくる機会をうかがっていたかのように。

警察官は頷き、さらに尋ねる。

「ドライブレコーダーは付いていましたか?」

新藤鈴奈は首を横に振った。今日は自分の車ではない。自分の車は点検に出していて、借りた車にはドラレコが付いていなかったのだ。

それを聞いた警察...

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