第63章

津田真由は慌てて首を振った。

「いいえ、私はあなたを止めているんです。あの人たちが間違っていたのは確かでも、罰を与える方法は他にもあります。あなたが自分の手を血で汚す必要はありません」

「連中は死んで当然だ!」

稲垣征也が怒鳴る。

あいつらが嘘をつかなければ、自分と鈴奈がここまでこじれることなどなかった。

新藤鈴奈はすでにすっかり記憶を失っている。自分のことさえ忘れた。

行き場のない怒りが胸の内で燃えさかるなか、あの愚か者どもがちょうど目の前に転がり込んできただけだ。

「根拠も怪しい診断書一枚で、俺の家庭をめちゃくちゃにしたんだぞ。それでも俺に、何もせず泣き寝入りしろっていうの...

ログインして続きを読む