第74章

「やめて!」

新藤鈴奈の悲鳴が、今にも振り下ろされようとしていた刃を止めた。

先頭に立つ男は、顔じゅう脂ぎった肉がついたような風貌で、声のほうへぎろりと視線を上げる。

怯えきった新藤の母は、鈴奈の姿を認めた瞬間、堪えきれずに叫んだ。

「鈴奈、早くお父さんを助けて! この人たち、お父さんの指を落とすって……!」

地面に踏みつけられていた新藤の父も、まるで救いの神でも見たように目を見開き、必死に叫ぶ。

「お、俺の娘は金を持ってる! だから指だけは……指だけは勘弁してくれ!」

男は眉をつり上げ、口の端をいやらしく歪めた。

「新藤山助よぉ。お前、こんな瑞々しい娘がいるなんて、なんで今...

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