第81章

神園和臣は眉をわずかに跳ね上げ、落ち着き払った調子で言った。

「ダメ?」

「……」

離婚判決書を壁に飾る人間なんて見たことがない。

新藤鈴奈はしばらく額に手を当て、呆れた声を落とす。

「早く外して。人に見られたらどうするの」

神園和臣は唇を軽く結び、どこか他人事みたいな声音で返した。

「でも、俺はいいと思うけど」

こんなにめでたい出来事だ。貼り出して、天下に祝ってもらうべきだろう。

新藤鈴奈はため息をつき、彼が動く気配もないのを見ると、さっさと立ち上がって壁から離婚判決書を引き剥がし、執事へ放った。

「これ、片づけて」

執事は、気だるげに笑っている神園和臣を一瞥し、小さ...

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