第一百零三章

瑞樹は下唇を噛んで、すぐには口を開かなかった。

その沈黙が、すでに答えだった。

辰の表情がわずかに変わった。眉根が一度きゅっと寄せられたが、すぐにまた元に戻る。

病室の空気が重くなった。

「瑞樹」

紗夜の声は平坦で、まるで自分とは無関係な出来事を述べているかのようだった。

「あなた自身の手で、私たちの間に残っていた最後の母子の情を、すべて使い果たしたの。これから先、何があっても、もう二度と私を訪ねてこないで」

彼女は一度、言葉を切った。

「私に言う必要はないわ。私はあなたの母親にふさわしくないから――あなたが誰をお母さんだと思おうと、好きにすればいい」

最後の一言を口にすると...

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