第二十三章

黒沢辰は、スマートフォンの画面に表示されたその一行を、ただじっと見つめていた。

 

瑞樹がそんなことをするはずがない。

 

その考えは、ほとんど本能的に湧き上がってきたものだった。

 

まだ幼い瑞樹に、人を孤立させるような知恵があるわけがない。紗夜は子供同士の些細な喧嘩を大袈裟に言っているか、あるいは、単に俺に難癖をつける口実を探しているだけだろう。

 

辰はスマートフォンを裏返し、テーブルに置いた。

 

今日の出来事が、まだ重く胸にのしかかっている。

 

提携の話は台無しにされた。このままでは到底、気が収まらない。だがそれ以上に腹立たしいのは、あの場に立っていた紗夜の姿だった。白衣、タブレッ...

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