第七十四章

星曜エネルギー、社長室。

 

高橋直子がタブレットをデスクに横置きにした。動画はすでに後半に差し掛かっている。

 

オフィスには、エアコンの低い駆動音だけが響いていた。

 

画面に映っているのは夜の路肩だ。街灯の光が冷たく白い。黒いスポーツカーが滑らかに停車し、運転席のドアが開く。車から降りてきたのは――紗夜だった。

 

司はスクリーンを凝視したまま、何も言わなかった。

 

彼女の横顔が街灯に照らされたのはほんの一瞬だったが、その一瞬で十分だった。

 

彼は動画を一時停止させ、人差し指でデスクを軽く叩く。少し間を置いてから口を開いた。

 

「この動画は、現在どのくらい見られている?」

 

「現...

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