第七十八章

話しているうちに、遥の瞳がみるみるうちに赤く潤んでいく。誰にも見られたくない、とでも言うように、小さな顔を俯かせて。

 

紗夜は泣きそうな遥を見ても、すぐに言葉をかけることはしなかった。

 

まずそっと屈んで、遥の小さな体をしっかりと抱き上げ、腕の中に抱きしめる。片方の手を、彼女の後頭部に優しく添えた。

 

顔を寄せ、遥の耳元で、囁くように、けれどはっきりと告げる。

 

「遥は、ママの足手まといなんかじゃ、決してないわ」

 

「ママの娘はこんなに賢くて、こんなに可愛いの。あなたは、いつだってママの誇りよ」

 

「ママがあなたのためにしてきたことは全部、心からやりたくてやったこと。後悔なんて、一...

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