第八十一章

監視室の中。

辰が身分を提示すると、スタッフはそれ以上何も聞かず、本日行われた全コースのHD映像をスクリーンに映し出した。そして、気を利かせてそっと出入り口まで下がった。

画面の中で、紗夜の車がスタートラインから走り出す。

辰はスクリーンを睨みつけ、何も言わない。

コーナー進入前のブレーキングのタイミング――正確無比だ。何度も練習を重ねてようやく安定させたような正確さではない。まるで、体の芯でその一点を熟知しているかのような、天性の正確さ。躊躇いなく、ブレーキペダルを踏み込む。

ドリフトでコーナーを抜ける。ハンドルの修正舵はごく僅かで、その軌跡は定規で引いたようにクリーンだった。

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