第九十四章

 結局、彼女はそれをクリックした。それは瑞樹のアカウントで、以前紗夜が登録してやったものだった。

 ダイレクトメッセージには、瑞樹からのメッセージが何件も届いていた。文面には、「暁影」への熱烈な想いが溢れている。

 紗夜は、彼がこんな口調で話すなんて思いもしなかった。今日の練習場での態度とはまるで別人だ。

 もし自分がその暁影だと知ったら、彼はどう思うだろう? 喜ぶのか、それとも悲しむのか。

 紗夜はしばらく画面をぼんやりと見つめていたが、結局返信はせず、ページを閉じてノートパソコンを閉じた。


 翌日の午前、藤原司が紗夜のオフィスのドアの前に現れ、ノックを二回した。

「今...

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