第115章 食事

夜明け前、渡辺美咲の熱は下がった。

ぼんやりと目を開けると、ベッド脇の椅子に田中康介が座ったまま眠っている。首を傾けて背もたれにもたれ、腕にはギプス。どう見ても楽な姿勢じゃないのに、寝息だけは静かで穏やかだった。

渡辺美咲はしばらく彼を見つめ、そっと上体を起こす。

自分の手の甲に貼られた点滴のテープを見下ろした。

――この人、私をベッドに運んだだけじゃない。点滴まで繋いだんだ。

枕に身を沈め直し、彼を起こさないまま目を閉じる。眠りはすぐ戻ってきた。

朝になって先に目覚めたのは渡辺美咲だった。

田中康介は相変わらず椅子で首を傾けたまま、規則正しい呼吸をしている。深く眠っているらし...

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