第127章 美咲おばさんをお母さんにしたいの?

渡辺美咲は必死に抵抗したものの、田中康介の押しの強さには到底かなわなかった。

荷物を取りに戻る暇すら与えられないまま、気づけば新幹線へ連れ込まれている。

車内で、美咲はこめかみを押さえた。じんわりと張って、鈍く痛む。

「……今日じゃないとだめなの?」

問いかけると、康介はわざとらしく真面目な顔でうなずく。

「もともと今日の切符を取ってた。仕事のほう、これ以上引き延ばせないんだ」

――まあ、そう言うだろうな。

美咲は予想どおりの返事に、ため息を飲み込むだけで終わらせた。

仕事は自分で片づければいい。どうして、わざわざ彼女まで巻き込むのか。けれど、もう列車は走り出している。今さら...

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