第131章 あなたはもう十分すごい

どういうわけか、渡辺美咲は病院で毎日てんてこ舞いのくせに、それでも「たまには息抜きする時間がほしい」と思ってしまう。

そんな彼女にとって、病院からのこの電話は――まさに渡りに船だった。

受話器の向こうと二、三言ほど挨拶を交わし、美咲は通話を切る。

リビングでまだきゃいきゃいと遊んでいる小さな二人を見て、少し考えてから近づき、腰を下ろして田中健人に声をかけた。

「健人、明日……遊園地、行きたい?」

それは、昔、美咲が健人に約束したことだった。

けれど仕事に追われ、時間が取れず、ずっと先延ばしになっていた。

せっかく巡ってきた機会だ。美咲は自分が約束を守る大人でありたかった。健人に...

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