第14章 恥ずかしさ

職員室を満たす空気は、息が詰まるほど重かった。

相手の保護者は顔を真っ青にして脇に立ち、いら立たしげに何度も足を止めては歩き直している。ときおり鼻で笑うような息を漏らし、その視線が田中健人に向くたび、露骨な不満と非難がにじんだ。

「あとどれくらいかかるんですか?」

「まさか、いつまでもこのまま待たせるつもりじゃないでしょうね」

催促のたび、声には隠しようのない苛立ちが混じる。

担任は板挟みだった。

スマホを確認する暇すらない。激怒した保護者をなだめながら、怯えきった子どもにも気を配らなければならず、焦りで額にはじっとり汗がにじんでいた。

「田中健人くんの保護者は、いったいいつい...

ログインして続きを読む