第161章 上野結花と再会

「でも、田中さんがここにいらっしゃるのも……あまり良くないと思います。もう遅いですし、このまま時間を潰すより、いったんお帰りになったほうが」

上野結花は花がほころぶように笑い、声は蜜みたいに甘かった。

「いらないって言っただろ。日本語、通じないのか」

田中康介は彼女を見据え、苛立ちを隠そうともしない。

「お前が俺から何を引き出したいのか知らないが、どう思ってようが――思い通りにはさせない」

言い切ると、康介はさらに二歩下がった。距離を空ける。目にあるのは露骨な嫌悪だけ。

上野結花は、ここまで拒まれるとは思っていなかった。

田中康介がこれまで冷たかったのは、渡辺美咲がそばにいたか...

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