第165章 キスマーク

咬む感触が、いつの間にか舐める熱へと変わる。喉仏のあたりにむず痒い刺激が走って、田中康介は思わず喉の奥でくぐもった声を漏らし、彼女に問いかけた。

渡辺美咲は、まるで何を言われているのか理解できないみたいに、動きを止めない。骨のないほど柔らかな指が、康介の身体をあてもなく探り当てていく。

こんなふうに煽られて、平然としていられる男がいるはずもない。

「美咲……明日、目が覚めてから後悔するなよ」

瞳の色が、底なしに沈んでいく。最後には、獲物を選ぶ獣みたいに。

返ってきたのは、美咲の甘い喘ぎ声と、首へ絡みつく両腕だった。

「……熱い」

彼女は今、氷を抱いているみたいだと思った。身体の...

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