第170章 無給休職

「安心して。時間ができたら、ちゃんと休むから」

そう言い終えるころには、田中康介も渡辺美咲の細かな擦り傷の処置を済ませ、使った器具を手際よく片づけていた。

「少し休みますか?」

主任である渡辺美咲には専用のオフィスがある。今なら、そこで横になることもできた。彼女がオフィスで休めば、田中康介もそばについていられる。

「うん……じゃあ、ちょっとだけ目を閉じる」

簡易ベッドを広げ、渡辺美咲は横になって瞼を下ろした。徹夜のまま走り続けた夜。神経は擦り切れ、限界を越えていたのだろう。ほどなく呼吸がすうっと整い、長く、深くなっていく。

その寝顔を見つめる田中康介の表情には、隠しようのない痛ま...

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