第25章 危険から脱する

銃声が響いた直後、現場は一気に修羅場と化した。

警官たちが即座に場を制圧し、男はその場で取り押さえられる。

二人の手下も地面にねじ伏せられ、手錠をかけられた。

すぐに状況を判断した者が救急へ通報し、別の者は田中康介の容体を確認するため駆け寄った。

「胸部貫通創です! 出血がひどい、至急搬送を!」

一人の警官が声を張り上げ、救急箱から取り出したガーゼを田中康介の傷口へ必死に押し当てる。少しでも血を止めようと、手に力を込めながら。

渡辺美咲は血まみれのまま床に膝をつき、両手を小刻みに震わせていた。

涙で視界は滲んでいるのに、その目だけはずっと田中康介の顔から離れない。

顔色は紙の...

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