第27章 謝罪

田中健人の言葉は、刃のように渡辺美咲の胸へ深く突き刺さった。

頭の中で、ぶん、と鈍い音がした。何かがいきなり破裂したみたいだった。

目の前にいる田中健人――怒りと悔しさで顔を真っ赤にしたその小さな顔が、急によそよそしく見えた。

この子は、自分の息子だ。十月十日お腹の中で守り抜いて、命がけで産んだ子。

自分の手で育ててきた。心を砕いて、できる限りのことをしてきた。なのに今、その子が、いらないと言ったのだ。母親なんて要らない、と。

渡辺美咲は深く息を吸い、立ち上がった。

「分かった。そんなにママがいらないなら、私が出ていく」

もう自分を「ママ」とは呼ばなかった。そのまま一歩、また一...

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