第37章 離婚しよう!

田中康介は客室のベッドに横たわり、そのまま眠りに落ちようとしていた。

寝返りを打ち、枕に顔をうずめる。

その瞬間、頬に何かがさわり、とさり、と擦れた。

田中康介は手を伸ばし、枕の下を探る。指先に絡みついたのは――数本の髪。

茶色い。自分の髪より短く、渡辺美咲の髪よりも、さらに短い。

彼はそれをつまみ、灯りにかざして見つめた。眉間がきつく寄る。

――これは、渡辺美咲の髪じゃない。

茶色の短髪。硬めの毛質。どう見ても、男の髪だ。

そこまで考えた瞬間、田中康介の表情がすっと沈んだ。

髪をテーブルに置き、枕とシーツをもう一度、念入りに確かめる。

枕には同じ茶色の短い毛がまだ数本。...

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