第40章 もう君を信じない

田中康介はそれを聞くと、わずかに押し黙った。問いには答えず、ただ一言だけ落とす。

「ちゃんと休め」

それだけ言って、電話を切った。

通話が途切れた瞬間、渡辺莉々はふうっと長く息を吐く。

今回は、本当に危なかった。

昨夜、バーから帰ったあと、念のために偽の受付票まで用意しておいて正解だった。写真まで撮って残したのも、まさにこういう時のため。

それなのに、まさか田中康介が病院に直接確認しに行くなんて。

とっさに誤魔化せなければ、今ごろ全部ばれていたはずだ。

渡辺莉々はテーブルのそばへ歩み寄り、すっかり冷えきったお茶の入ったカップを手に取ると、そのまま流しへ捨てた。

鏡に映る自分...

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