第52章 フォローする

「本当は、こんなふうにそのまま来るつもりはなかったんです。さすがに失礼だと思って……でも、康介も気にしていないっておっしゃっていましたし、健人も連れてきたんです」

 渡辺莉々のその言い方は、一見すると何の問題もない。だが、よくよく聞けば穴だらけだった。

 田中康介が気にしていない――とは、どういう意味なのか。

 そもそも、この誕生日パーティーの主役は田中康介ではない。

 それに、田中健人がどうしても来たがった、とは何だろう。

 こんな場がどれほど大事なものか、田中康介があらかじめ田中健人に話していなかったとでもいうのか。

 それとも、最初から何も説明していなかったのか。

 けれ...

ログインして続きを読む