第66章 吐き出す

どれほど飲み続けたのか、自分でも分からない。渡辺美咲の意識は、じわじわと霞んでいった。

そのとき――背後から、こつ、こつ、と足音が近づいてくる。

美咲が振り返ると、屋上の出入口にケビンが立っていた。

手にはコンビニの袋。何も言わず、静かにこちらを見ている。

混濁していた頭が、一瞬だけすっと冴えた。

美咲はぽかんとして、目を瞬かせる。

少し離れた場所にいるケビンが、なぜか三つも四つも腕があるみたいに見える。――酔いのせいだ。

濃いアルコールの息を吐きながら、美咲は尋ねた。

「……なんで、あなたもここにいるの?」

好奇心混じりの視線を受け、ケビンは小さく笑う。袋を軽く持ち上げて...

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