第7章 交通事故

田中康介が宝石箱を開けると、中には眩いダイヤモンドのネックレスが収められていた。一目で高価だと分かる品だった。

 彼は自らそのネックレスを渡辺莉々の首にかける。手つきはやさしく、眼差しは甘い。たちまち周囲から、羨望まじりの拍手が湧き上がった。

 「わあ、田中社長って渡辺さんに優しすぎない? あれ、最新モデルのダイヤのネックレスでしょ。1000万はくだらないって聞いたけど」

 「ほんと。渡辺さん、うらやましい。田中社長にあんなふうに大事にされて」

 「でも、田中夫人はどんな気持ちなんだろうね。自分の旦那が、別の女にあそこまでしてるの見て」

 ひそひそ声が、針みたいに渡辺美咲の耳へ突き...

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