第71章 明日帰宅

田中康介の仕事は、昔から無駄がない。

連絡を回してから30分も経たないうちに、探偵の連絡先がスマホに届いていた。

その番号を見つめ、ほんの少しだけ迷う。だが結局、指は通話ボタンを押していた。

コールはすぐに途切れ、落ち着いた低い声が返ってくる。

「お電話ありがとうございます。ご用件を伺います」

「ひとり、張ってほしい相手がいる」

田中康介は淡々と告げ、渡辺美咲の勤務先を伝えた。

「今どこに住んでるかは分からない。そこも含めて調べてくれ。それと、毎日の行動。誰に会ったか、何をしたか、全部。細かく報告してほしい。小さな出来事でも抜かすな」

「承知しました」

探偵はこういう依頼に...

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