第95章 叱られる

「どこへ行くつもりだ。さっきの話は、どういうことだ」

田中爺さんを前にすると、渡辺莉々はやはり緊張する。肩が小さく震え、喉がきゅっと鳴った。唾を飲み込み、どうにか礼儀正しい笑みを貼りつける。

「おじいちゃん、ちょっと用事があるから、先に失礼するね」

問いには答えない。話題そのものから逃げるような言い方だった。

田中爺さんの顔から、すっと血の気が引く。

「俺が調べられないとでも思ったか」

その言葉に、渡辺莉々の胸の奥はひそかに弾んだ。けれど表情は、あくまでか弱く。唇を強く噛み、必死に首を横に振る。

「おじいちゃん……これは、田中家には関係ないの。お願い、これ以上聞かないで。言わせ...

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