第14章

エンジン音が止んだ。

九条蓮がドアを押し開けると、リビングには箱がずらりと並んでいた。

彼は手近な箱を無造作に開けた。バッグだった。エルメスのバーキン。婚約三周年の折、知人に頼んでパリから持ち帰らせたものだ。

別の箱を開ける。ジュエリーだった。ヴァンクリーフ&アーペルの箱の上にカルティエの箱が重なっている。

さらに別の箱を開けると、綺麗に畳まれた衣服が入っていた。

顔を上げ、ソファに座る詩織を見た。「これ、どうするつもりだ?」

「売るの」詩織はスマートフォンを置いた。「古くなったし、もういらないから。新しいのに買い替える」

「全部いらないのか?」

「ええ」彼女は立ち上がった。...

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