第23章

小百合子が去った後、玄関のドアが重い音を立てて閉まった。

シオリはソファに背を預けたまま、動かなかった。

ふと顔を上げ、リビングの天井に下がる豪奢なクリスタルシャンデリアに視線を這わせる。光に目が眩むまで、じっと見つめ続けた。

どれくらいそうしていただろうか。やがてゆっくりと息を吐き出し、唇の端に苦い弧を描いた。

不貞を働いたのは、九条蓮だ。

結婚を裏切ったのも、誓いを捨てたのも彼。第三者を会社に引き入れ、酒の席に同席させ、あまつさえ正妻である自分の視界に入る場所で、憚ることもなく見せつけたのも彼である。

それなのに今、責めを負わされているのはこちらだった。

思いやりが足りない...

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