第39章

須藤礼は病室を出ると、歩みを止めなかった。

 

玲子がドアのところまで追いかける。「礼、どこへ——」

 

廊下には、すでに彼女の姿はない。

 


 

玲子は入り口に立ち尽くし、振り返って詩織を見た。

 

詩織は枕に寄りかかったまま、表情を変えない。「スマホ、置いていったわ」

 

玲子は一瞬呆然とし、ベッドサイドのテーブルに目を向けた。

 

礼のスマートフォンが置かれている。画面は上を向き、静かに光を放っていた。

 

「あの子——」玲子は言葉を失う。「どこへ、何をする気?」

 

詩織は答えない。

 

ただそのスマートフォンを見つめ、少しだけ目を細めた。

 


 

十数分が過ぎ、玲子が...

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