第46章

「私が額を提示したとして」

エララは静かに西園寺を見据えた。

「その金、本当に支払うつもりはあるの」

 

病室がふっと静まり返る。

西園寺の表情がわずかに強張った。

「エララさん」

声のトーンが一段下がる。

「我々西園寺家は、約束を違えることはない」

 

「そう」

エララの声に起伏はない。

「デミアンのグループが上場する前夜、ある財閥が口約束で提携先にプロジェクトの譲歩を求めた。事後、その約束は反故にされ、提携先は今も訴訟を続けている」

 

言葉を切る。

「財界において、口約束がどれほどの重みを持つか。お二人の方がよくご存知のはず」

 

夫人の顔色が変わった。

「あなたね——」

 

「確かに資...

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