第49章

天井から色とりどりの紙吹雪が舞い落ち、詩織の肩に雑然と降り積もった。

 

「おかえり!」

 

玲子が両腕を広げ、体当たりでもするかのような勢いで飛び込んでくる。

 

詩織はその勢いを受け止めきれず、咄嗟にドア枠を掴んでどうにか踏みとどまった。袖に落ちた金色の紙吹雪に視線を落とす。

「……病院には、迎えに来なかったのに」

 

「迎えになんて行かないわよ」玲子が詩織の肩を軽く揉む。「娘を嫁に出すわけじゃないんだから、大げさにする必要ないでしょ」

 

「自分でタクシーを拾ったの」

 

「いいじゃない。自立心の訓練よ」

 

詩織が顔を上げると、玲子は悪びれもせず満面の笑みを浮かべていた。

 

「結城弁...

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