第61章

結城玲子はスマートフォンをテーブルに伏せ、眉間に深く皺を寄せた。

画面には、楠木から転送されてきた尋問結果のスクリーンショットが残っている。玲子はそれを睨みつけたまま、長い沈黙に沈んだ。

向かいの席では、詩織が静かに白湯を飲んでいる。

窓際に立つ礼は、拳を固く握りしめ、やり場のない怒りを顔に滲ませていた。

「信じられない」

ようやく口を開いた玲子の声は、ひどく掠れていた。

詩織は何も答えない。

「大学のゼミで出会って、八年」

玲子の視線が、詩織の横顔に突き刺さる。

「あの頃の蓮は、あなたをこの世で唯一の宝物のように大切にしていたのに」

詩織の指先が、グラスの縁をなぞる。その瞳に感...

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