第67章

西園寺瑠璃の声が、宴会場を引き裂いた。

「嘘つき――」

泣いて化粧は完全に崩れ、マスカラが頰骨の上で二筋の汚れになっていた。地に跪く姿は乱れ、礼服の裾がぐしゃぐしゃに丸まって、さっきまで高みにいた西園寺の令嬢は今、追い詰められた獣のように無様だった。

「フロアごと貸し切ったのよ。全部――外には人が見張って、部屋には電波が届かない。誰かに助けられたなんて、嘘。助けられてなんかいない、あなたはただ……ただ彼に嫌われるのが怖くて――」

視線が九条蓮へ逸れた。

「――汚れたのがバレるのが怖くて、嘘をついてるだけ――」

場内で、幾つかの視線が揺らぎ始めた。

ささやきが微かに上がる。「フロア...

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