第74章

この瞬間、西園寺瑠璃の判決が下るまで、残る手続きは最後の一つだけだった。

詩織がローテーブルの脇に座り、手元には半分冷めた茶がある。須藤礼が向かいに胡座をかき、結城玲子がソファに体を傾けて、声を低く抑えていた。

夜はもう深かった。

「九条蓮が介入しなくなった」詩織が言った。「良いことに聞こえます」

一拍置いた。

「でも違う」

玲子が顔を上げ、礼も携帯をいじる手を止めた。

「九条蓮という人間は」詩織の語調は穏やかで、業務報告を分析するように。「行動に自分なりのラインがある。できることと、しないこと、基本的に予測できます」茶碗を少し前へ押した。「西園寺家は違う」

「どう違うの」礼が...

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