第10章

視線の刺さり方が異様で、そこでようやくはっとした。

案の定、振り向いた瞬間、出入り口に立つ蓮司と目が合う。反射的に身構える。

「……な、なにか、まだ言うことあるの?」

蓮司は中へ入ってこない。けれど声だけは、氷みたいに冷たかった。

「余計な真似はするな。するなら、先にこっちが容赦しない」

それだけ言うと、扉が乱暴に閉められた。

私は顔の筋肉が固まったまま、傍にいる二人へ目で合図する。

「……ねえ。あなたたちのご主人様って、ほんとに……ここ、問題ないの?」

そう言って、指で自分のこめかみをつつく。

二人はぎょっとして、千代が慌てて私の手を掴んだ。

「お嬢様! そんなこと、絶...

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