第11章

部屋はしんと静まり返っていた。

蓮司はそこに立っているだけなのに、全身からぞっとするほど凄絶な気配を放っている。

私はどうしても震えを止められず、ひと言も発せなかった。

彼は言った。

「自分のことだけ考えていろ」

喉を塞がれたみたいに言葉が詰まり、そのまま男が部屋を出ていくのを見送るしかなかった。

やがて千代が戻ってきた頃には、私は恐怖ですっかり力が抜け、ソファに崩れ落ちたまま指一本動かすのもつらくなっていた。

蓮司の目は――冷たすぎた。

「お嬢様、大丈夫ですか?」

千代は本気で驚いたらしく、慌てて私の目の前で手を振る。

「大丈夫よ」

私は千代の手をつかんだ。

「でも...

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