第119章

だから私は逃げなかった。真正面から口を開く。

「大事です。あなたが私をどう思っているのか、知りたい。――それで、これからの私の人生が決まるんです」

嘘じゃない。心の底から、そう思っていた。

もし一ノ瀬蓮が本当に私を好きだというなら、これから先の暮らしは間違いなく、その事実に左右される。良くなるのか、もっとひどくなるのか。全部、一ノ瀬蓮次第。

――私が早く、自分の足場を作れない限りは。

倒産した家の会社を、もう一度立て直す。そんな力を少しでも蓄えられたら。何もかも自分の手の中に握れたら、たとえ誰かと戦えなくても、少なくとも自分だけは守れる。

一ノ瀬蓮の瞳が、すっと冴えていくのが分か...

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