第13章

車を走らせてあの別荘から逃げ出したとき、まるで夢の中みたいだった。拍子抜けするほど、何もかもが順調すぎる。

道中、私は行き先で立ち止まった。

いま神谷陸が私を探している。白石萌を救うために、今すぐ私の命が欲しい男だ。神谷家へ戻るなんて、自分から罠に飛び込むようなもの。

かといって相沢家は急な不幸でごたついていて、後のことは叔父が一手に引き受けている。契約違反だの違約金だのでもめて、向こうも火の車だ。私が顔を出したところで役には立てない。それどころか、余計な心配を増やすだけだ。

迷った末に、私は神谷本邸へ向かうことにした。賭けるなら、ここしかない。

神谷シズ――神谷陸の祖母。神谷家の...

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