第23章

息が詰まる。神谷陸の目は、血走っていた。

空気が、どんどん薄くなる……。

私は相手の手首にしがみつき、必死に振りほどこうとする。喉の奥から絞り出した声は、かすれていた。

「……いや……」

こんなふうに暴走したら、本当に私を傷つけるつもりだ。

そう気づいた瞬間、背筋が凍る。

私は死にものぐるいで抵抗し、足を振り上げた。

そのとき――

「やめろ!」

声が飛んだ。

松下さんが駆け込んできて、私たちの間に割って入る。強引に引きはがされ、絡みついていた力がふっと消えた。

「っ……はぁ、はぁ……!」

私は喉を押さえ、大きく息を吸い込む。

「陸様! どうして美月様にそんなことを!...

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