第47章

私の胸に残ったのは、もう――好きに利用できるものだけだった。

神谷陸に向けていたあの愛は、私を無惨に負けさせた。今なら分かる。自分を少しでも楽に生かすのは、感情じゃない。結局、利益だけ。

一ノ瀬蓮は頭の切れる人だ。私の狙いなんて、一目で見抜いて当然だ。

ここまで直球で問われた以上、誤魔化す勇気なんてない。

「……うん」

短く頷いた瞬間、隣の千代と花子が息を呑むのが分かった。こちらを見る目に、心配と驚きが滲んでいる。

私があっさり認めたら、一ノ瀬蓮が怒ると思ったのだろう。正直、私だってそうなると思っていた。

けれど、ここで嘘をついたら――もっと、もっと怒らせる。

認めるしかない...

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