第7章

距離が近すぎて、私までつられて緊張してしまう。

一ノ瀬家がどれほどの家格か、知らないわけじゃない。

しかも今の私がしているのは、脅し同然の真似だ。

お腹の子の素性をはっきり明かしていない以上、こんなの自殺行為もいいところではないだろうか。

外の言い争う声はどんどん大きくなっていた。神谷陸が激昂して、今にもここへ突入してきそうな勢いだ。

男は、私が彼の口を塞いでいた手をあっさり外すと、そのまま手首をひねり上げ、逆に押さえ込んできた。

「やっ……痛い……」

痛みに耐えきれず、私は声を潜めて訴える。

けれど男は力を緩めない。むしろぐいと私を引き寄せ、低く冷えた声で言った。

「恩を...

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