第95章

相沢美月視点

 一ノ瀬蓮と一緒にレストランへ向かう道すがら、無数の視線がこちらに刺さってきて、私はずっと頭がふわふわしていた。

 この感覚、正直しんどい。なのに隣の人は、まるで何も感じていないみたいな顔をしている。

 一ノ瀬蓮がいったい何を考えているのか、私には分からない。碧山珠希が来てからというもの、どこか様子がおかしいのだ。

「一ノ瀬さん、注文はあなたがお願いします」

 個室に通されると、私はメニューを彼の前へ差し出した。理性と礼儀だけは崩さないように。

 ともあれ、無事に入れた。

 あとは流れに任せればいい。

 一ノ瀬蓮は私を見つめたまま、その瞳に相変わらず読み取れない...

ログインして続きを読む