第7章

新東京市医療審問会廷に、カメラのフラッシュが絶え間なく焚かれていた。私は傍聴席の最前列に座り、自信満々で法廷に入ってくる雅人の姿を見つめていた。彼のすぐ後ろには、杏奈がぴったりと寄り添っている。今日の審問会が、自分たちの楽勝に終わるとでも思っているのだろう。

笑わせる。

「皆様、静粛に。これより審問会を開会します」議長の宣言で、廷内は水を打ったように静まり返った。

私の心臓は高鳴っていた。緊張からではない。期待からだ。長い間待ち続けた。ようやく、真実が明るみに出るのだ。

沙織が立ち上がった。その眼差しは、刃のように鋭い。「議長。私は亡くなられた方のご遺族の代理人として、本医...

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