第5章
愛莉視点
「ただいま!」
茜さんの声が診療所に響き渡った。彼女は玄関のドアを勢いよく開け、両手いっぱいの買い物袋を抱え、周りの誰もがつられてしまうような満面の笑みを浮かべていた。
「お土産もあるよ!」
私の胃の腑が、鉛のようにずんと重くなった。三日間。茜さんがいない間の三日間、私は達也と盗み出したような時間を過ごし、本物の関係になれたかのようなふりをしていた。それなのに、今は――。
「愛莉さん!」
茜さんは骨が軋むほどの力で私に抱きついてきた。罪悪感が酸のように胸の奥からせり上がってくる。
「ああもう、二人に会えなくてすっごく寂しかったんだから。どうだった? 結衣ちゃんは...
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