第7章

愛莉視点

 サイレンの音は単に近づいているだけではなかった。それはもう目と鼻の先にあり、鼓膜を破らんばかりに鳴り響いている。

 ドカドカと重々しい足音が診療所の階段を駆け上がってくる音が聞こえ、全身の血が凍りつくような感覚に襲われた。茜さんは窓際から後ずさり、その顔は幽霊のように青ざめている。

「警察です! ドアを開けてください!」

 ドアを激しく叩く音に、結衣が悲鳴を上げる。私はとっさに結衣を抱き上げ、胸に強く押し付けた。頭の中がぐるぐると回る。どうして? 一体どうやって私の居場所がバレたの?

「森本愛莉、そこにいるのは分かっているんだ!」

 ドアが乱暴に蹴破られた。三人の警官...

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