第120話レイモンズ・パワー

サラ視点

目が覚めると、一人だった。レイは用事があるとかで、その朝早くに出て行った。今日、私たちは儀式を執り行う。そのことに興奮していたけれど、同時に恐怖も感じていた。はぐれ狼たちの襲撃があるから、中止にしたかった。でも、レイがそれを許さないことはわかっていた。この日のために、しばらく前から計画してきたのだ。今日のために特別な服まで注文した。イザベラには赤いドレスを、レイモンドには青いスーツを着せる予定だ。私は、前がボタンになっている赤いドレスを着る。そうすれば、子供たちに母乳をあげられるから。

ベッドで横になっていると、イザベラが目を覚ますのが聞こえた。彼女だとわかったのは、目を覚ますとく...

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