第 3 章:ヘルプ

少女視点

彼の笑みを見て、私はできるだけ体を小さくしようと、さらに必死になった。そもそも、一体私が何をしたというのか、なぜこんな地下牢に放り込まれなければならなかったのか、必死で考えようとしていた。私の知る限り、自分に与えられた務めは、力の限り果たしてきたはずだった。ローランドが酔いつぶれて、私に何もできずにそのまま気を失ってくれればいいと願っていた。だが、その願いは甘かった。彼は、しらふそのものだった。ただそこに突っ立って、私をじっと見つめている。ただ、この折檻が早く終わって、彼が立ち去ってくれることだけを願った。

「どこにいる、俺のかわいい売女め」

私は答えず、ただひたすら息を殺していた。月の女神様、どうか助けを送ってくださいと、ずっと祈り続けていた。そして、私の体をできるだけ小さくしてください、とも。そうすれば、彼も諦めて立ち去るかもしれない。あるいは、私が死んだとでも思うかもしれない。けれど、それも間違いだった。

「見つけたぞ」

彼は私の手首を繋ぐ鎖を掴むと、枷の錠を外した。そして私を壁に叩きつける。私は痛みに悲鳴を上げた。地面に倒された私を、彼は容赦なく全身を蹴りつけた。それから、私が身に着けていたなけなしの衣服をずたずたに引き裂き、私の両脚の間に割り込んできた。そして、その肉棒を私の体に無理やり突き入れた。彼は事を終えた。それから私を部屋の中央まで引きずっていくと、そこにある鎖で両手を頭上に吊り上げた。彼は私を鞭打ち始めた。六つ数えたところで意識が遠のき、失血か痛みかで気を失った。するとローランドがバケツの水を私に浴びせかけ、そのせいで意識が引き戻された。

涙が頬を伝っていく。昨日ローランドに平手打ちされたせいで、片目は腫れ上がって塞がっていた。

「やめてください……」

古い葉巻の匂いが鼻をついた。また、廊下の方から強大な力の気配がする。アルファだ。でも、どのアルファだろう。やがて、そのアルファが独房に入ってきた。ローランドは、その人物に背を向けていたため、入ってきたことに気づいていない。

「お前の母親と父親には、ずいぶん面倒をかけさせられた」

「お前の両親を殺したようにな、お前も殺してやる」

「やめてっ!」

「レイ王に姫君の居場所が知られるわけにはいかん」

「我々の終わりだぞ」

意識が途切れ途切れになる中、彼らが失われた姫君について話しているのが聞こえる。私をどうすべきか、ああでもないこうでもないと口論している。いっそ、さっさと私を殺して終わらせてくれればいいのに。

「こいつを始末して、終わりにするべきだ」

そして、ローランドがこちらに向き直った。

「さっさと始末しろ。手早くやれ」

その時、アルファが外の騒ぎに気づいた。独房には、私とローランドだけが残された。彼は私の腹を殴りつけ、肋骨を折った。また意識が遠のいていく。身動きもできず、息も絶え絶えな私を、彼はそれでも殴り続けた。殴りながら、彼は笑っていた。ローランドがずっと私に死んでほしがっていたことは知っていた。そして今が、彼にとってその好機なのだ。

「ずっと前から、お前にこうしたくてたまらなかったんだ」

外で誰かが言い争う声が聞こえる。アルファが誰かと口論している。ローランドが部屋から飛び出していく。さらに言い争う声。ローランドが独房から出ていったことに、私は感謝した。そして、すべてが静まり返った。私が一体何をしたというのだろう。アルファが私をここに連れてきたとき、私はまだ赤ん坊だった。それから、奴隷にさせられた。私の両親は誰なのだろう? そんな疑問ばかりが頭を駆け巡るが、答えを得ることは決してないのだろう。命が自分から滑り落ちていくのを感じる。これが最期なのかもしれない。そうであってほしいと祈っている。そうすれば、死の世界でなら、初めて両親に会えるかもしれない。レイ王とは誰なのか。なぜ彼らは、姫君のことが王に知られるのをあれほど恐れていたのか。

なぜ、その姫君のせいで私がこんな目に遭わなければならないの? 姫君については噂で聞いたことがあった。戦いの中で行方知れずになったと。でも、その名前も、どこの出身なのかも、誰も教えてはくれなかった。廊下から話し声が聞こえてくる。ローランドやアルファでありませんように、と願った。だが、その声は私の独房を通り過ぎていった。あまりの痛みに、ただ死にたいと願うばかりだった。その時、廊下の向こうの端から悲鳴が聞こえた。哀れな誰かが拷問されているのだ。一体何をしたのだろう。この地下牢には、奴隷から捕まったスパイまで、あらゆる種類の罪人がいる。また意識が薄れ始めていた。

また白い光。そして、あの声が聞こえる。

「持ちこたえろ、助けが来る」

「誰が来るの?」

「お前の運命だ」

また、白い光だけになった。そして目が覚めると、そこにはただ暗闇が広がっていた。悲鳴は次第に小さくなり、光も消えかかっている。再び独房の扉が開く音がして、ローランドが入ってきた。どうして、私を殺してくれないの? 両目が腫れ上がって、ほとんど何も見えない。彼は私の顔を軽く叩き、意識があるか確かめている。

「やめてください……」

「ほう、まだ生きていたか」

「もう放っておいてください……」

「命乞いする姿は、実に愛らしいな」

そう言って、彼は再び私の顔を平手打ちし、唾を吐きかけた。鞭を手に取ると、また打ち始めた。もう痛みは感じない。悲鳴も上げられない。叫ぼうとしても、声にならない声が出るだけ。まるで、何度も吹き鳴らされすぎたラッパのような音だ。再び意識が闇に沈みかけた。その時、突如として独房の扉が壁ごと引き剥がされた。潮の香りがする。部屋全体を揺るがすほどの唸り声が響いた。ローランドが命乞いをするのが聞こえる。

「彼にやれと言われたんだ」

壁に何かが叩きつけられる鈍い音がした。続いて、低く掠れた声が、何様のつもりだと問い詰めているのが聞こえた。

「アルファ・マークに命令されたんです」

「お前は後で始末してやる」

そこで、私の意識は途切れた。また、あの白い光。そして、あの声。

「もう大丈夫だ」

「もう少しだけ、持ちこたえろ」

「あなたは、誰……?」

「いずれ分かる」

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