チャプター 7: サラ

サラ視点

『メイト』

眠りに落ちようとする私の頭の中に、声が響いた。森の中を走っていると、耳の周りに白い斑点がある、美しい白黒の狼が木の後ろから飛び出してくる。その狼はヘーゼル色の瞳をしていた。私はその場で凍り付く。私たちはお互いを見つめ合っていた。この狼を、私は知っているような気がした。

「あなたの声、聞き覚えがある。私に話しかけてたわよね」

「あなたは誰?」

「私はカリーナ。あなたの狼よ」

「私の……狼」

「ええ、あなたの狼」

雌のライカンは十七歳の誕生日の朝に最初の変身を経験すると知った。どうして私は変身しなかったんだろう? 自分の誕生日がいつなのかさえ知らないのに。孤児院...

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